ぽあん歩庵

沖縄WS最終日

沖縄WSの最終日は、予想していた通りというかそれ以上に駆け足で時間が流れて行った。
さっき始まったばかりと思ったら、あっという間に身体塾が終わり、質問が休憩時間に半分食い込み、表現塾はもっと加速。
何かが出来るようになるわけではないとわかってはいるけど、少しぐらいは進歩できるんじゃないかという期待はいつもあっさりと裏切られる。クー・・・。

最終日の身体塾は、人の身体の不思議あれこれを実感して驚きの声があちこちから上がった。
筋肉を使って力で動かそうとすると、抵抗がかかるし衝突を生む。
力めば自分も痛いし疲れるし、相手も力ませ「なにくそ」と感情を刺激する事もある。
しかし、身体の自然の流れに任せれば、何も力を入れずどこも無理をせずに大きな力が出る。
「ねじれ」を力を抜いて戻すだけで。
そこには作為的なものは一切ないので、相手は動かされながらも「えっ?」とあっけにとられる。
「今、何が起こったの?」と呆然とし、見事な手品で騙された時のように、「うわー、やられたー。面白い〜」と喜びさえ湧いて来る。
タネもシカケもあるのだけれど、それはなぜかはわからない。
ただ、そういうふうにできている。
人の身体はほんの少しの微細な変化も見事にキャッチし、反応する。
身体は天才。だけど頭は馬鹿なので何も感じない。
ここの差はあまりにも大きい。

馬鹿な頭は賢ぶり「わからないこと」を一所懸命考える。理屈を探す。答えを求める。
「なぜか」「なぜか」「なぜか」
一生やっとけや。ということになる。
「そういうふうにできている」ものをいかに多く見つけるかが、自分をより深く知ること。
すでにあるものを受け入れて「それならどうする?」を考える人だけが、自分の取り扱い方法を獲得して行けるのだ。

「なぜか」を考える頭人間は多い。
自分なりに組み立てた理論に身体を当てはめるような動きをやって、本来の稽古の意味から外れてしまう人もいる。
「これはこうなるべきだ!」という頑なさもまた、自覚なくやる癖のうち。
そういう人を見るたびに、「こんな所にも私がいる」と可笑しくなる。

自然な身体の反応が許せなくて、動きに抵抗を試みる人もいる。
踏ん張って絶対に動くまいとする、又は、相手を動かすまいと力を込める。
そんなことをやっているのではないという事がわからない。
「絶対に頑張ったらダメや。踏ん張ったらあかん」先生は言われる。
「それは、死にます」
動きを止めようと力んだ身体はもう動けない。
容易く屠られ、息の根を止められる。
先生から指摘を受ける人を見て、私の胸がズキズキ痛い。
「あー、私もやりましたぁ」
はい、頑張っちゃう人です。自我の塊です。すぐ殺されます。


強い力は実は弱く、相手に従う無力さこそが強いというパラドックス。
だから武道は面白い。だから、人間は面白い。

そして、表現塾の方でも、私を発見。

正面を合わせて「どうぞ〜」の誘導をやっていた時。
直前まで向かい合って「なまむぎ」の様々なパターンをやった人と組んで、なんとなくはできているような感じにはなっていたのだが、シビアに言えば違うというのを感じてきていた。
先生が何度も「ガッチリ合わせなければいけない」「ほんの微細な動きでも崩れる」と強調されているほどに、本当に合っているのかといえば決してそうではないのには気付いてる。
このままなごやかな雰囲気を保てば互いに気持良いし、楽。
しかし、それは本当ではない。
自分と相手を大事にしているか?
我々の時間とお金とチャンスは、ぬるい心地よさと引き換えになどできないものだ。
感じたこと、気づいた事を口にするようになると、相手は困惑し次第に表情を曇らせていく。
私も何がマズい、どこをどうしたらとかの指摘が的を射てるとは言えなくて、ただ、違うのだけは感じているという状態だから、工夫がすべてから回り。
努力してもうまくいかない状態は辛い。
周囲は皆できていて楽しく笑い合っているというのに。
ついにペアの彼女の口からこんな言葉が出た。
「私が何をやっても受け止めてもらえてない、拒絶されているような感じを受けます」
彼女の気持ちはとてもよくわかった。
それは時々私が感じてしまうことだから。
他の優しい人と組めばきっと上手くいくはずなのに、この相手だから出来なくされているという苛立ち。
何を求めているかがあいまいだと湧いて来る思いなのかもしれない。
この場で成功したいのか、本当に出来る自分になりたいのか。

出来る事を出来る範囲内で無理なくやっていたのでは稽古にならない。
限界を超え、出来ない事をやろうとするから進歩がある。
試行錯誤をすることがないのなら、それは何もやってはいないのだ。

今回は曖昧で態度を決め切れなかった私が悪い。
けれど、お陰で私の表にはっきり出てきていなかった思い違いと歪みに気付くことができた。
他人というのはどんなときでも、鏡であり、最高の師としてそこにいてくれる。
ありがとうございます。


先生、一緒に稽古した皆さん、充実した三日間をどうもありがとうございました。
次に来る時には、もっと肩と目の力を抜いて(笑)、もっとエネルギッシュになって来ますね。
沖縄、大好き!
みんな、最高!!
お元気で。
また会いましょう!!!
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2008年07月23日 日野先生と武禅 トラックバック:0 コメント:0