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朝の食卓と割れた鏡

(最近聞いた実話を下敷きに、少しばかり脚色してあります)


いつも通りの朝。
ダイニングテーブルを囲んで朝食を食べる家族。
父と母と娘の3人。

母親は朝から機嫌が悪い。
娘の中間試験の点が思っていたより悪かったためだ。
布巾を洗い終わり椅子に座ると、トーストを千切ながら昨夜の小言の続きを口にする。

「あんたねぇ、勉強してるしてるって言っておきながら、あんな点を取るなんてどういうこと?
 いったい何を勉強してたのやら。もうね、お母さんは情けないよ。あー、朝から頭が痛い。
 余裕ない中であんたのためだと思って塾に行かせてやってるのに、なんでこの程度の点しか取れないの?
 こんなの勉強したなんて言いません!
 もっと塾の回数増やした方がいいんじゃないの? ねっ、それがいいよね!
 それか、ちょっと遠いけど、みっちりしごいてくれると評判の所に変わろうか?」

成績の伸び悩みは娘自身が一番辛く思っていること。
それを朝からガミガミやられたのではたまったものではない。

「わかってるって。もう、言わないで。頑張ってるんだから!」

「頑張ってるっていつも言うけど、現実に成績は下がってるじゃないの!
 そんなのを頑張ってると認められるわけないでしょ!だいたいあんたはね、口ばかりなのよ!
 本気で頑張るんだったら、もっと勉強時間を増やしなさいよ!
 自分ひとりで出来ないから、お母さんが塾に行けと言ってるのに何を口答えするか!!」

尚も声を荒らげ畳み掛ける母親。
たまりかねた娘がテーブルを叩いて勢いよく立ち上がり、母親に食って掛かった。

「嫌だし!これ以上、塾とか行きたくない!勝手に決めるな!!」

と、その瞬間、

パン!

と何かが弾けるような音がした。

娘の頭に貫くような激しい衝撃。
バラッと何かが落ち、キーンとした痛みがそのまま耳の中で音として聞こえ、熱くなる。

青ざめて張り付いた表情の母親が手に持っているのは、手鏡。
それで頭を殴られたのだ。
思い切り。
鏡の大きなカケラと小さなカケラがキラキラと食卓の上で光る。

「いい加減にしないか!」

それまで黙って新聞を読んでいた父親が怒鳴った。

「皿の中に破片が入ったじゃないか!まだ食べてないんだぞ!」


娘は泣きながらカバンを持ち、家を飛び出した。

「もう嫌だ。こんな家。鏡で殴るなんてあり得ない。塾に行きたくないって言っただけなのに・・・。
 お母さんはいつも私の気持ちなんかどうでもいいんだから・・・・・」

拭っても拭っても涙はあとからあとから流れてくる。

「私なりに一生懸命勉強してるのに。塾だって今までサボったことないのに。
 やってもこの程度なんだからしょうが無いじゃない・・・。もう無理だよ・・・・」

泣きながら歩いていると、横に車が停まった。
母親だった。

「乗って行きなさい」

黙って乗り込む娘。車の中に嗚咽が響く。

「お母さんがあなたのために言ってることに口答えするからよ。ね。
 勉強は期末で結果が出るように頑張ればいいんだから。
 今よりもう少し努力したら絶対に伸びる子なのよ、あんたは。素直な子になってちょうだいね」

母親の穏やかで優しい声を聞き、それでも涙が止まらない娘なのだった。


----------------------------------------------------
さあ、ここで質問です。
あなたはこの話の中で、家族の機能不全っぷりが現れている箇所をいくつ見つけることができましたか。

私の出す問題なので、いつものごとく正解はないということで、お考えください。

コメント

非公開コメント

No title

機能不全は父親です。

私も中3の子の母なので、とても耳が痛い話です。
この話の母親は決してよい母親とは思えない。
でも母親のイライラはよくわかるし
自分と照らし合わせて
母親自身が葛藤して悩んでいるであろうことも
勝手に想像してます。
  
がんばっても実になっていない娘の辛さも
それを母親にわかってもらえない辛さも
よくわかります。
  
父親は。。。
父親の役割を果たしている人は
この話には出てきません。
  
実話なら
この母子が
ちゃんとわかり合っていけるように願います。

母性と父性

Lalu-Miluさん

そうですね。父親の役目をしている人はいませんね。
「うるさいな。鬱陶しいから俺のいない所でやってくれよ。迷惑かけるな」
とか思ってるんでしょう。

母親は、父親の前だからわざとやってるんじゃないかって気もします。
自分の辛さをわかって欲しいから。
ひどいことをしてしまうぐらい追い詰められているのを見せて、精一杯のSOS。

そう思うと哀れではありますが、でも、クソ親はクソ親に違いない。
家族に無関心な我が身だけがかわいいクズ男を夫に選んだのも母親ですから、自己責任。

子どもは親を選べないのに、何で親の幸不幸の決定権を背負わされなくちゃならないのでしょう。

これは実話ですが、相談もされないのに他人の家庭に口をはさめませんので、何も出来ることはありません。


ただ、この話を友達の間でした時に、父親の「皿の中に破片が入ったじゃないか!」のセリフに、
「怒る所はそこかい!!」と全員がツッコミを入れたというので、そこにちょっと救いがあるような気がしました。

異常を異常だと気づいていれば、この子が大人になった時には歪みを正すこともできるのではないかなと思います。

全部

 朝から機嫌の悪い母親・・・・から全部機能不全ですね。母も父もダメ。
実話だとしたら、本当に娘さんがかわいそう・・・。祖父母も兄弟姉妹も、
身近な親戚か近所のあったかいオバサンとかいなければ、娘さん一人で
この家のしがらみを断ち切るのはすごく難しいと思います。
 でも、その昔、私も似たような精神状態の時があったので・・・もうほん
とに子供たちにゴメンね!って感じです。今はあのクソ親状態の私と決別
すべく、少しずつ頑張ってます。今度こそ、「親」になるために。
 子供に教えられて、親になるよう育っています。

No title

そうですね。
お二人の言うとおり
母親も機能不全ですね。
  
クソ親…
あはは・・手厳しいですね。
自分のことを言われているわけではないとわかりつつ
グサッと胸に来ます。

ぽあんさんのコトバから察するに
このお母さんはこの出来事だけじゃなく
こんな状態の出来事がいくつもあるんだろうなと思います。

私もLibraさんと同じ
子供たちに教えられながら親として育っている
そう思います。
みんな多かれ少なかれそうなんじゃないかなって
思うんですけれどね。

ただ、取り返しのつかないこともある。
そうならないように自戒するのみです。

No title

物語にするとぐっとわかりやすくなりますね。(^^)

気になったのは…

・母親が一方的
・塾任せ、他人任せ
・質ではなく量で解決しようとしている
・反論を認めない
・感情的過ぎる
・暴力、しかも手鏡
・父親の徹底的な無関心
・自分のことしか考えていない
・子供を自分の支配下に置こうとする母親

まあ、全部といえば全部ですが、こうして箇条書きにしてみると、
家族の関係が硬直しているのがよくわかりますね。
流れが一方通行で、全ての責任を娘が背負ってしまっています。

・父親の無関心 → 母親の負担大 → 娘に責任転嫁
・母親の暴走 → 父親の無関心 → 娘の負担大

父親の無関心には、仕事の負担大という要因があるのかもしれませんが…。

家族の関係は対等であり、流れを循環させていく必要がありますよね。
それを肌で感じて回していけるのが「空気を読む能力」なのかも?

手鏡と父親の台詞は、てっきり脚色の部分だと思ったんですが、
そこも実話だったんですね…。(>_<)

Libraさん

子どもがいるから親をさせてもらえていると思えば、ありがたいことですね。
最初からそれに気づいていたら、もっといい親をやれたのにと思いつつ、
今もキリキリしているわけですが。(笑)

機能完全家庭なんて、たぶんどこにも存在してないでしょうね。

不満たらたら

Lalu-Miluさん

子どもたちは私に不満タラタラですよ。

「だいたいお母さんはねぇ、こういう所がいけんのじゃ」とかよく言われます。

私は絶対に認めないけど。
「私は間違ってない。私は正しい!」と言い張る。

なぜなら、それがオカンというものだから。(←変なこだわり)

影で「クソばば、しね・・・」とか言ってるのも全部この地獄耳に聞こえてる。(笑)
そんなものです。

子供らがある線から越えることはないと思ってますが、
もしそうなったら、手鏡でぶん殴るどころじゃすまないだろうな。


まあ、癖のかたまりである人間の群れなんだから、どこでもイザコザはあって当たり前ですね。

K-Hyodoさん

整理していただいてありがとうございます。
おっしゃる通りだと思います。

そして、たぶんこの子は塾の時間を増やしても、どんなに有名な塾に行っても、
さほど学力は伸びないんじゃないかということも予想できます。
学習できる環境とは物理的なものばかりではなく、内面的なものが大きいですから。

それに、仮に成績が上がったとしても解決にはならなさそう。
本当の問題に向きあわない限り。
この家庭では、すでに家族はこの家庭ならではの空気を読んで動いているのかも。


>手鏡と父親の台詞は、てっきり脚色の部分だと思ったんですが、
>そこも実話だったんですね…。(>_<)

細かいやり取りはわからないので、セリフの端々などは作りましたが、
大筋は聞いた通りです。

機能不全

 人間がすべて不完全な生き物だとしたら、作り出すものも不完全なわけで、家族も不完全ですね。で、それでいいんですよね、多分・・・。完全な家族を目指す、というその心象にこそ問題があるのかもしれない。
ぽあんさんのコメント、優しいです。

 Lalu-Miluさん、母も機能不全だということ、私も肝に銘じなきゃと思っています。親が葛藤し悩むことと、子ども自身が葛藤し悩むことを混同してはいけないと思います。親の不安を子供に押し付けない、それが出来るように親が自立すること、それが私たち(と勝手に言っちゃいますが)の課題ではないかと・・・。

 K-Hyodoさん。箇条書き列挙すごいです・・・理性ですね。その客観性、見習いたい、というか見習います。感情を大事にすると同時に、それだけ冷静に物事を捉えることができたら。自分では結構客観性がある方だと自負してきましたが、甘ちゃんでした(^^;)
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