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一人で死ぬべき男

「男は一人で生きているけれど、女は男がいないと生きてはいけない」

昔、まだ子どもだった私にこう言って聞かせた男がいた。
母と付き合っていた優しいおじさん。
優しいのだけれど、どこか嫌な感じがあった。
だから本当は近づきたくないのだが、母の機嫌を損ねたくないので一生懸命なついたふりをしていた。
無邪気さを装って。

ある日、母が何かの用事で出かけることがあった。
部屋には私とおじさん、二人きり。
何もすることがなく、緊張しながらも寛いだ演技をしながらテレビを見ていると、
おじさんがにじり寄ってきた。

「学校はもう慣れた?」
その頃は住むところを転々としていたので、新しい学校に転校したばかり。
「うん」
「友達できた?」
「うん」
「そう・・・どんな勉強が好き?」
おじさんはすぐ隣にベッタリと寄り添っている。
荒い鼻息が髪にかかるほど。
私はテレビの画面を凝視しながら、動くこともできない。

そこで唐突に言われたのが上記のセリフ。
「男は一人で生きているけれど、女は男がいないと生きていけない」
何を言っているのかわからなくて、そこではじめておじさんの顔を見ると、
おじさんはもう一度同じ言葉をくり返して、こう言った。

「お母さんも女。お母さんも男にすがらないと生きてはいけないんだよ。
 わかるね?
 おじさんが捨てたらお母さんは生きていけない。ぽあんちゃんも生きていけないよ」

おじさんは笑いながら、笑っていない。
凶暴で残忍なその表情には見覚えがあった。
この男の前に母が付き合っていた、殴る男の顔だ。母はそいつに肋骨を折られた。

おじさんは、なおも体を押し付けてくる。
シャツの中に手を入れて胸をまさぐる。スカートの中にも手を入れてくる。
私は動けない。

と、その時、玄関の開く音。
母が帰ってきた。
パッと離れたおじさんは、「おかえり」と玄関に出迎え荷物を受け取る。

「ただいま~。なにしてた?」
何も知らない母は普通に、まだ固まったままでいる私に話しかけるが、
おじさんは遮るように「何も。一緒にテレビ見てた。ね」と割って入る。

母が台所で背を向けているとき、おじさんは耳元でささやいてきた。
「さっきのことは内緒だよ。ぽあんちゃん、お母さん好きだろ。生きていけなくなるよ」
笑いながら、笑っていないその顔で。

私はその時の事を誰にも何も言えなかったが、間もなく私とは関係ないことで二人は別れた。
その後ずっと母子家庭で暮らし、母は47歳で死んだ。
だがそれは病気のためであって、男がいないせいではない。

明らかな力の差があることをたてに、「逆らうと生きていけなくなるぞ」などと脅す人間は最低のクズ野郎だ。

それが大人と子どもであっても、男と女であっても。

人としてクズ。

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