ぽあんのルーツ探し 1

私は片親で育った。

物心ついたころ、父親がいた記憶はある。
両親と手をつないで、時々ぶらさがりながらデパートに行った。
夜に母が不在のとき、眠れずに何度も尿意を訴えて父親を困らせた。
そんな記憶がおぼろげながら。

そして父が消えた後、母が連れてくる何人かの男を「お父さん」と呼んだりもした。
が、本当の父親のことは結局聞けずじまいで、私が25の時に母は死んだ。

戸籍には父の名と、当時の実家の住所があるものの、
一切の接点もなかったため、連絡は取らなかった。しようという気にもならなかった。

ただ一度、電話をかけてみた人はいる。
それは、戸籍上の父親ではなく、いつか母が酔っ払って正体をなくした時に
口走った名前の人。
「アンタの本当のお父さんは、○○○○という人で、昔、一緒の学校で働いていたのよ」
母は若いころ一時期、図書館司書の仕事をしていたらしかった。
私が小学4年生の時に担任だった先生が、
その頃の母の事を知っていたという話は聞いたことがあった。
そして、たぶん、その○○○○という人との関係も。

母が死んで、葬式も後始末も終え、引っ越してしばらく経った頃、
急にその人に連絡を取ってみたくなった。
電話帳で調べると、すぐにその名前は見つかり、恐る恐る番号をプッシュ。
何度目かのコールの後、渋い男性の声が出た。
「○○○○さんですか」
「はい、そうです」
「突然で申し訳ないのですが、以前、××小学校でお勤めされていませんでしたか?」
「はい、おりましたが」
やっぱり、この人に間違いない。
「ずいぶん昔のことになりますが、□□□□という女性を覚えておられないでしょうか?」
「・・・いえ、記憶にありませんが、どういった?」
覚えていなかった・・・・
覚えていないものは仕方がないので、
「そうですか。□□は私の母なのですが、先日亡くなったんです。
 以前、○○さんには大変お世話になったという話を聞いたことがあったもので、
 一応連絡をして御礼を伝えておこうと思いまして電話しました」
ということにして、電話を切った。

結局、その人が私の父親なのかはわからないまま。
せめて一目でも顔を見たかったけれど、
あちらにも家庭がおありだろうから、騒動の種になるようなことはできないし、
今更真実がどうなのかを探ったところで、誰も幸せになりはしないから、
これで良かったのだと思う。

でも、薄っすらでも「そういう人がいたような・・・」と覚えててくれたら嬉しかったな、とか、
心の片隅にでも「もしかして、あの時の子か?」なんて浮かんでたらいいな、とか、
ジクジクとくすぶり続ける思いは残り続けている。

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