絶交ごっご
先日、夕方にスーパーに買い物に行くと、しばらく会ってないのでそろそろランチorお茶のお誘いでもしようかなと思ってた友人とバッタリ。
丁度良かったとばかりに2人とも買い物カゴを下げたまま、30分以上(もしや1時間近く?)も喋り続けた。(汗)
それくらい積もる話があったから。
小学校ではここのところの生徒の荒れ対策の一環として、保護者に気軽に学校の様子を見てもらえるよう、フリー参観日を実施している。
いつでも立ち寄っていいのだが、より来易くするためにとりあえず先々週は3日ほど日にちが決められてPTAだけでなく地域にも公開された。
友人の子どもはもう卒業してしまっているのだが、たびたび学校に来てくれていると娘たちから聞いていた通り、3日すべてに顔を出してくれていた。
問題の男子たちは最近は少し落ち着いてきていて、授業中も立ち歩く子はいなかったらしい。
しかし、そのかわり彼女が気になったというのが“女子”の様子。
「あ、やっぱりわかった?」
そう。
実のところ、男子の暴力も困ったものだが、女子の陰湿ないじめは更に深刻なのだ。
修学旅行前の緊急学年保護者会では、私は娘から聞いていたその問題にも触れ、保護者に対して「家庭で是非とも話し合ってみて欲しい」とお願いしたのだが、いまだ何も改善はされた様子は無い。
女子のいじめ。
それは「虐め」には違いないけれど肉体的虐待も含まれる強い言葉となるのを避ける為、私はあえてそれを「絶交ごっこ」と名付けて説明した。
娘から聞いていた話は以下の通り。
中心人物は一人。
顔も可愛いくないし、成績も普通、親も普通。
特に何に秀でているわけでのないのだが、底意地の悪さだけは天下一品で、そのわけのわからなさが周囲の子を翻弄し従わせている。
彼女は皆で仲良く遊ぶということを絶対に許さない。
人が3人以上寄ると、必ず誰かが仲間はずれにされる。
1人の悪口を言い、嫌がらせをすることでその他の人たちの結びつきは強くなる。
いつも誰かがスケープゴート。
だが、それは誰とも決まってはおらず、理由もない。
女王のご機嫌しだい。
「あの子、ムカツクと思わない?」の一言がゲーム開始の合図。
うっかり「え?そんなことないよ」とでも返してしまうともう大変。
ターゲット変更。女王の指令への反逆は重罪だ。
そうなると登下校も一人、休憩時間も一人、給食も一人、 誰も話しかけてもくれない。
そのくせ、ちらちらとこちらを見ては、わざと聞こえるように「ブスのくせに」「キモイんだよ」「わっ、バカが見てるよ」と悪口を言い、反応を見る。
授業中に悪口を書いたメモが席から席に回される。
「こんなことはやめて!」と直談判しても無駄。
「やっていない。言っていない」で押し通し、それが通しきれなくなると「ゴメンね。許して。もう責めないで」と泣き伏して同情を買う。
それ以上、何もできないのを承知の上で、涙の下でペロリと舌を出して逆に被害者を装うえげつなさには誰も敵わない。
虐めに加わらなければ自分が虐められる。
虐めに加わってても安心はできない。
虐めたら虐めた分だけ後で仕返しが来るのはわかってても、少しでも女王様のご機嫌をとっておいたほうが有利かもしれないと、やり方はより陰湿に執拗にエスカレート。
汚いのは、先生や親たちの前でだけでは急に仲良しになることだ。
ニコニコと親しげに話しかけてくる。楽しく一緒に遊ぶふりをする。
振り払えば、そうした方が悪者になる。
かといって仲良しのふりに乗ると、後で「いい気になって」「嬉しそうにしやがって。馬鹿じゃね?」と、これも悪口のネタにされるのはわかっている。
だから居心地悪く、唇を噛んで耐えているしかない。
こういった流れは5年生の頃から始まっていたという。
娘は仲間はずれも悪口を言うのもしたくなくて加わらないので、再々嫌な目にあってきた。
どうにかこの人たちと離れたいと、6年になる春休みの間中、「クラスが別になりますように」と毎日毎日祈っていた。
その願いが天に届いてか、意地悪グループは全員もう一つのクラスに振り分けられ、今は気持ちいい人たちに囲まれて楽しい学校生活を過ごしている。
クラスは離れても虐めの女王とは同じ町内で家が近いので、これまでの調子で奴が擦り寄ってくることはあったそうだ。
「ねえねえ、私☆☆と絶交したんじゃ。だから一緒に帰ろう」
誰と絶交しようが関係ないが、方向が同じだから並んで歩いた次の日、
「今日は☆☆と帰るから、あんたとは帰れん」と、わざわざ言いに来る。
????
「ねえ、私と遊んでも□□とも仲良くしてあげて」と、
別に仲が悪くもない人の名前を唐突に持ち出して頼んできたかと思ったら、
翌日には手のひらを返して「どうして□□と遊ぶの!」と怒ってる。
????
用事があって隣のクラスに入ると、「どうしてこっちにおるん」「ブスゥ」「キモォ〜イ」と例によってヒソヒソ。
!!!!
そして、娘を逃すまいとしてか、あろうことか「△△って調子にのってるよね。絶交しようや」とまた持ちかけてきたのだ。
我慢の限界にもほどがある。
娘は怒った。
そして、絶交を宣言した。
意地悪グループの女王に。その取り巻きたち全ての子に。
その話を聞いた時、私は正直言って少しばかりがっかりした。
相手がやってくる同じことをして、同じ土俵に乗ってやることなんかないのに。と。
しかし、娘がこれでケリがついたとしてサッパリとしている様子を見ると、これが一番いい方法だったのかなと思う。
意地悪グループの子達は、同じ町内の同学年の女の子の全員。
だから、先週の自治会のそうめん流しでは、娘は一人でいた。
堂々と。最後まで。
私は自分の立場上、どの子にも同じように接しなければならないし、育成会の親との付き合いもあるので胸が痛んだのだが、娘の強さが誇らしかった。
ある時、意地悪グループの一人がこっそり娘に打ち明けたことがあると娘が教えてくれた。
「私だって、嫌な事を沢山やられてきたよ。
人の悪口を言うのも本当は嫌だけど、やらないとやられるからするしかないでしょ。
私は一生懸命に頑張ってきて、そうして今こうして仲間でいられてるのに、
それなのに、あんた○○だけ抜けるなんて、そんなのズルいよ!」
可哀想な子たちだと思う。
グループの子たちには、元はきれいな目で可愛い顔立ちの子もいたが、今は皆、人相が変わってしまった。
それは私がそんな目で見るからそう感じるのではなく、事情を知らなかった友人が見ても「これが本当に昔のあの子なの?」と驚くほどの変わりようだという。
「絶交ごっこ」の話は全てではないが、あらかたを保護者には伝えた。
中には「うちの子も関わってるのは知っている」と言う親もいたが、だいたいはあまり深刻には考えていない。
そもそも、家庭で会話が無いのかもしれない。
5年生の頃の担任は厳しいがハートのある人で、こういった兆候にいち早く気が付いて、仲間はずれを作りたがる子たちに「どうしてこんなことをするのか?」と問い詰めたこともあったようだ。
答えはなかった。
どの子も「わからない」。
たぶん、5年の担任はその原因を知っていた。
だから親に「もっと子供に関心を持って欲しい」と訴え続けていた。
しかし、親にも「わからない」のだということには気づいていただろうか。
誰かを悪者にすることで平和と連帯が保たれる人間関係を常識として植えつけているのは、家庭なのだ。
丁度良かったとばかりに2人とも買い物カゴを下げたまま、30分以上(もしや1時間近く?)も喋り続けた。(汗)
それくらい積もる話があったから。
小学校ではここのところの生徒の荒れ対策の一環として、保護者に気軽に学校の様子を見てもらえるよう、フリー参観日を実施している。
いつでも立ち寄っていいのだが、より来易くするためにとりあえず先々週は3日ほど日にちが決められてPTAだけでなく地域にも公開された。
友人の子どもはもう卒業してしまっているのだが、たびたび学校に来てくれていると娘たちから聞いていた通り、3日すべてに顔を出してくれていた。
問題の男子たちは最近は少し落ち着いてきていて、授業中も立ち歩く子はいなかったらしい。
しかし、そのかわり彼女が気になったというのが“女子”の様子。
「あ、やっぱりわかった?」
そう。
実のところ、男子の暴力も困ったものだが、女子の陰湿ないじめは更に深刻なのだ。
修学旅行前の緊急学年保護者会では、私は娘から聞いていたその問題にも触れ、保護者に対して「家庭で是非とも話し合ってみて欲しい」とお願いしたのだが、いまだ何も改善はされた様子は無い。
女子のいじめ。
それは「虐め」には違いないけれど肉体的虐待も含まれる強い言葉となるのを避ける為、私はあえてそれを「絶交ごっこ」と名付けて説明した。
娘から聞いていた話は以下の通り。
中心人物は一人。
顔も可愛いくないし、成績も普通、親も普通。
特に何に秀でているわけでのないのだが、底意地の悪さだけは天下一品で、そのわけのわからなさが周囲の子を翻弄し従わせている。
彼女は皆で仲良く遊ぶということを絶対に許さない。
人が3人以上寄ると、必ず誰かが仲間はずれにされる。
1人の悪口を言い、嫌がらせをすることでその他の人たちの結びつきは強くなる。
いつも誰かがスケープゴート。
だが、それは誰とも決まってはおらず、理由もない。
女王のご機嫌しだい。
「あの子、ムカツクと思わない?」の一言がゲーム開始の合図。
うっかり「え?そんなことないよ」とでも返してしまうともう大変。
ターゲット変更。女王の指令への反逆は重罪だ。
そうなると登下校も一人、休憩時間も一人、給食も一人、 誰も話しかけてもくれない。
そのくせ、ちらちらとこちらを見ては、わざと聞こえるように「ブスのくせに」「キモイんだよ」「わっ、バカが見てるよ」と悪口を言い、反応を見る。
授業中に悪口を書いたメモが席から席に回される。
「こんなことはやめて!」と直談判しても無駄。
「やっていない。言っていない」で押し通し、それが通しきれなくなると「ゴメンね。許して。もう責めないで」と泣き伏して同情を買う。
それ以上、何もできないのを承知の上で、涙の下でペロリと舌を出して逆に被害者を装うえげつなさには誰も敵わない。
虐めに加わらなければ自分が虐められる。
虐めに加わってても安心はできない。
虐めたら虐めた分だけ後で仕返しが来るのはわかってても、少しでも女王様のご機嫌をとっておいたほうが有利かもしれないと、やり方はより陰湿に執拗にエスカレート。
汚いのは、先生や親たちの前でだけでは急に仲良しになることだ。
ニコニコと親しげに話しかけてくる。楽しく一緒に遊ぶふりをする。
振り払えば、そうした方が悪者になる。
かといって仲良しのふりに乗ると、後で「いい気になって」「嬉しそうにしやがって。馬鹿じゃね?」と、これも悪口のネタにされるのはわかっている。
だから居心地悪く、唇を噛んで耐えているしかない。
こういった流れは5年生の頃から始まっていたという。
娘は仲間はずれも悪口を言うのもしたくなくて加わらないので、再々嫌な目にあってきた。
どうにかこの人たちと離れたいと、6年になる春休みの間中、「クラスが別になりますように」と毎日毎日祈っていた。
その願いが天に届いてか、意地悪グループは全員もう一つのクラスに振り分けられ、今は気持ちいい人たちに囲まれて楽しい学校生活を過ごしている。
クラスは離れても虐めの女王とは同じ町内で家が近いので、これまでの調子で奴が擦り寄ってくることはあったそうだ。
「ねえねえ、私☆☆と絶交したんじゃ。だから一緒に帰ろう」
誰と絶交しようが関係ないが、方向が同じだから並んで歩いた次の日、
「今日は☆☆と帰るから、あんたとは帰れん」と、わざわざ言いに来る。
????
「ねえ、私と遊んでも□□とも仲良くしてあげて」と、
別に仲が悪くもない人の名前を唐突に持ち出して頼んできたかと思ったら、
翌日には手のひらを返して「どうして□□と遊ぶの!」と怒ってる。
????
用事があって隣のクラスに入ると、「どうしてこっちにおるん」「ブスゥ」「キモォ〜イ」と例によってヒソヒソ。
!!!!
そして、娘を逃すまいとしてか、あろうことか「△△って調子にのってるよね。絶交しようや」とまた持ちかけてきたのだ。
我慢の限界にもほどがある。
娘は怒った。
そして、絶交を宣言した。
意地悪グループの女王に。その取り巻きたち全ての子に。
その話を聞いた時、私は正直言って少しばかりがっかりした。
相手がやってくる同じことをして、同じ土俵に乗ってやることなんかないのに。と。
しかし、娘がこれでケリがついたとしてサッパリとしている様子を見ると、これが一番いい方法だったのかなと思う。
意地悪グループの子達は、同じ町内の同学年の女の子の全員。
だから、先週の自治会のそうめん流しでは、娘は一人でいた。
堂々と。最後まで。
私は自分の立場上、どの子にも同じように接しなければならないし、育成会の親との付き合いもあるので胸が痛んだのだが、娘の強さが誇らしかった。
ある時、意地悪グループの一人がこっそり娘に打ち明けたことがあると娘が教えてくれた。
「私だって、嫌な事を沢山やられてきたよ。
人の悪口を言うのも本当は嫌だけど、やらないとやられるからするしかないでしょ。
私は一生懸命に頑張ってきて、そうして今こうして仲間でいられてるのに、
それなのに、あんた○○だけ抜けるなんて、そんなのズルいよ!」
可哀想な子たちだと思う。
グループの子たちには、元はきれいな目で可愛い顔立ちの子もいたが、今は皆、人相が変わってしまった。
それは私がそんな目で見るからそう感じるのではなく、事情を知らなかった友人が見ても「これが本当に昔のあの子なの?」と驚くほどの変わりようだという。
「絶交ごっこ」の話は全てではないが、あらかたを保護者には伝えた。
中には「うちの子も関わってるのは知っている」と言う親もいたが、だいたいはあまり深刻には考えていない。
そもそも、家庭で会話が無いのかもしれない。
5年生の頃の担任は厳しいがハートのある人で、こういった兆候にいち早く気が付いて、仲間はずれを作りたがる子たちに「どうしてこんなことをするのか?」と問い詰めたこともあったようだ。
答えはなかった。
どの子も「わからない」。
たぶん、5年の担任はその原因を知っていた。
だから親に「もっと子供に関心を持って欲しい」と訴え続けていた。
しかし、親にも「わからない」のだということには気づいていただろうか。
誰かを悪者にすることで平和と連帯が保たれる人間関係を常識として植えつけているのは、家庭なのだ。

